空中ブランコ

ふわふわゆらゆら
空中ブランコ
次のバー目掛けてひとっとび
99本目にしがみついた時
もう戻れないと気が付いた

ふわふわゆらゆら
空中ブランコ
一瞬の油断が命とり
100本目が罠だとしても
まだ落ちるわけにはいかなくて

スポットライトが照しても
明るすぎて目がくらむ
命がけの演技の後に
待っているのは飴かムチ

手を離せば何がある?
束縛された主役より
あたしは自由な黒子がいい
いつも夢みる悪夢には
ミスして遠い揺れるブランコ
自由になれたと思うから
落下速度さえ心地良い


ふわふわゆらゆら
空中ブランコ
お客様は神様です
101本目で聞こえた音は
テントの外の明るい声

ふわふわゆらゆら
空中ブランコ
いつか陽の目を見る日まで
その次その先ちょうど真下は
舞台に出れないピエロたち

外の世界の客を見ても
明るすぎて目がくらむ
逃げ出しても捕まえられて
待っているのは飴かムチ


手を離せば何がある?
死にたがりの人間より
あたしは必死な蝉がいい
いつも夢みる悪夢には
ミスして遠い揺れるブランコ
自由になれたと思うから
落下速度さえ怖くない

一寸先は闇なんだから
"手を伸ばしても"
何がある?

手を離したら落ちただけ
主役を降りたあたしには
見向きもしない薄情な世界
いつも夢みた悪夢が今
現実になっても
自由になれないみたい
落ちても落ちても
ふわふわ空中ブランコ