「仕合わせ」



混み合う駅のホームの隅っこに

あどけない一人の少女が

白い花束を抱えてたたずみ

列車へ乗り込んでゆく

 

心の中で感じてる

「もう大丈夫」と言っても

大事なモノを思い出す

白い花は揺らいでた

 

忘れないでいつまでもずっと

あの時のあのことを

守りたくても守れなかった

たくさんの命を

風に揺られて煌めく花に

懐かしさを感じてそっと涙を流した

 

窓から覗くいつもの景色と

別れの挨拶交わす

優しく髪をゆらした微風に

母の温もりが伝う

 

教えてくれてありがとう

物言わぬ花と風に

大事なモノを受け取った

白い花は揺らいでた

 

忘れないでいつまでもずっと

あの時のあのことを

守りたくても守れなかった

たくさんの命を

風に揺られて煌めく花に

懐かしさを感じてそっと涙を流した

かけがえのない仕合わせ